下腿コンパートメント症候群

コンパートメントとは、【区画】という意味でその区画内で何らかの症状が起きているということを症候群と言います。

特徴・原因

  • 下腿のコンパートメント(区画)は前方・外側・浅後方・深後方の4つに分類されています。
  • 何らかの原因によりその区画の内圧(圧力)が上昇します。
  • 発生は前方区画がもっとも多く次に外側区画が多いです。

症状

急性型慢性型
発生機序・下腿の骨折や肉離れ、打撲で発生する
・下腿のギプス固定などの緊縛でも発生する
・ジョギングなどの日常生活で発生
 ・罹患筋群の自動運動、他動伸展で疼痛がみられる
・内圧上昇した区画内の神経
圧迫され痺れがある
夜間痛がある
・足背動脈の触知は可能
・運動中や運動後に一過性の痺れが出現する
・運動を中止し安静にすると症状改善することが多い
下腿コンパートメント症候群の急性期と慢性期の比較

患者A
患者A

急性期慢性期では治療に違いはあるんですか?

先生
先生

急性期は緊急を要するので、すぐ手術します。慢性期はまず安静で経過観察ですね。

患者B
患者B

内圧が高くなっているだけなら、足を高く上げて少し休めば大丈夫じゃないの?

先生
先生

それは絶対に行わないでください!!

注意

下腿の循環障害が発生しているため、心臓より高い挙上と圧迫は行ってはいけません。


急性期に発症した下腿コンパートメント症候群は、何もせず24時間経過するとフォルクマン拘縮という後遺症に変わります。そうなると取り返しのつかない事態になるので早めに救急外来の病院に受診しましょう。またこの症状は当院での治療や施術は不可になりますが、判断のみは可能ですので来院されてコンパートメント症候群の疑いがあれば手術ができる病院にご連絡させていただきます。